飲食店の再生

飲食店は、価格だけが自分の意思で決められ、しかも、価格だけで、競合との勝敗が決まります
  1. 「会社を辞めて、飲食店を始めようと思うんだけど、実はラーメン通で、自分が作るラーメンの味には、自信があるんだ」
  2. 「潰れた飲食店が、内装をそのままで、借りてくれる人を探してたんだ。最初の初期投資が低ければ、リスクが小さいから、儲かりやすいんだよ」
  3. 「知り合いがビルを持っているんだけど、すごく人通りが多い場所なんだ。それでいて、あまり競合の飲食店が多くない。多分、飲食店以外でも十分、儲かるから、空きがないんだと思う。それで、そのビルの1Fで、飲食店をやる交渉をしたらOKということになったから、絶対に儲かるよ」
  4. 「日本人なんだけど、イタリアのレストランで、10年間も修行した有名なシェフと知り合ったんだ。俺が、資金調達とお店の内装などの設計を担当して、2人でタッグを組んで、日本人の口に合う、本格派のスパゲティを売ろうと思う」
  5. 「カレーって、毎日、食べても飽きないだろ。でも、すでにカレーのお店は飽和状態だから、それに勝つために、圧倒的に価格を安くしようと思う。まぁ、味は、料理研究家に聞けば、2-3ヶ月でチェーン店並の味にはなる。とにかく、安い材料を工夫して使い、チェーン店よりも、100円は安くしてみせるよ」
  6. 「知り合いが、飲食店のフランチャイズ化を成功させて、上場して億万長者になったよ。俺にはそこまでのノウハウはないから、逆にフランチャイズに加盟して、3店舗を目標に増やしてみるよ」
  7. 「昔からの友人に声をかけたら、10人が出資してくれることになって、自己資金と合わせて5,000万円も集まった。やっぱり、これだけ資金があるならば、銀座は難しいかもしれないけど、渋谷や池袋などの繁華街で、1店舗目は出したいな。将来、何十店舗にも増えたときに、基幹店にもなる」
  8. 「知り合いが有名な飲食店の雑誌の編集長なんだ。飲食店を始めるならば、そこに何度も特集で載せてくれるって言っている。やっぱり、広告しなければ、お客は集まらないよ」

あなたは、上の理由のどれかで、飲食店を始めたのではないでしょうか。
でも残念ながら、あなたも含めて、ほとんどの人が失敗します。
あなたに能力がないと言っている訳ではありません。
ビジネスは運の要素が大きいのです。
その上、飲食店は参入障壁が低いため、競争が激しく、新しいお店が毎日のようにできるのと同時に、今あるお店も潰れてしまうのです。
少子高齢化で働く人も減り、さらに不況で、外食する人口が、どんどん増えるはずがありません。
小さくなっていくパイを、みんなで奪い合っているのです。
ずっと儲かり続けているお店にはノウハウがあり、上場会社には資金力があります。
そこに、新しく参入して勝つことは、誰が考えても、難しいと理解しています。

それでも、自分だけは成功できると信じて、お店を出すのですが、結局は失敗してしまうのです。
ただ、全員が失敗するわけではなく、成功している人も、少しだけいます。
それは、飲食店を始める時の理由で、決まります。
あなたは、さっきの1から8の中で、どの理由が一番成功しやすいと思いますか?

答えは・・・・・・『5』です。

飲食店で成功するためには、

1.価格が安い 2.場所がよい 3.味がおいしい 4.広告方法が上手 5.社員教育がしっかりしている 6.潤沢な資金がある
という6つの条件が揃っていれば、成功は間違いありません。
ただ、あなたが開業したときに、全部、揃うはずがないですよね。
上場している飲食店でも、全部の項目が揃わないのですから、当たり前です。

そこで、優先順位をつけるのですが、このとき、なぜか、飲食店を始める人は、「場所」が大事だと勘違いしてしまいがちなのです。 あなたも、もしかして、よい場所にお店を出すこと、「人通りが多い場所」を探すことに力を入れすぎてしまったのではないですか?

場所も、まぁまぁ大事なのかもしれませんが、一番ではありません。
なぜかと言えば、よく潰れた飲食店を居抜きで借りて、成功しているお店を、あなたも見たことがあると思います。
もし、場所が本当に一番重要ならば、同じ場所で、失敗する飲食店と成功する飲食店があるのはおかしくないですか?
しかも、場所は、貸してくれる相手があることなので、すごく運の要素が強いのです。

もちろん、駅から徒歩1分の路面店という、すばらしい場所で成功しているお店もありますが、そこに自分が入ることはできません。
すでに儲かっている場所の情報が、資金力もコネもない、あなたに回ってくることはありません。
しかも、その場所がほんとうに儲かるのか、競合と比べることは難しいのです。

一方、価格であれば、自分だけで決めることができます。
しかも、最初から、お客の数を予想して、食材の仕入価格を計算した結果、赤字になる価格で、始める人はいないでしょう。
しかも、価格は数字なので、お客も、あなたも、競合と比べて、勝負することができます。

  • このように言っても、あなたは、「やっぱり、飲食店は場所だ」と反論するかもしれません。

それでは、違う要素である、「味」について考えてみましょう。
冷凍食品でも、そこそこおいしい時代に、「飲食店は、味で勝負すべきだ」と考える人はいないと思いますが、本当に味なんて、ほとんどの人にとって、お店を選ぶ基準にはなりません。
三ツ星のフレンチレストランで食事をして、使っている食材を理解し、ソースの名前を言えて、競合のお店と比べて何が違うのか、具体的に説明できる人が何人いるでしょうか?
フレンチの創作料理の味が分かる人なんて、ほんの一握りです。

そもそも、脂が乗り過ぎたフォアグラを毎日、食べることができるでしょうか?
価格が高すぎて、毎日通えないという理由ではなく、絶対に、毎日は食べたくないと体が拒否します。
そもそも、あなたも含めて、いきなり飲食店を始める人が、三ツ星のフレンチと同じような味が出せるはずがありません。

それでも、全然、心配する必要はありません。
味の感覚は、みんな違います。
食べる人の体調によっても、年齢によっても、感情によっても、一緒に食べる人によっても、全然、変わるのです。
あなたも、行列がいつも絶えずに、TVで取り上げられる有名なラーメン屋で、「そんなに、おいしいか?」と思ったことが、何度もあるはずです。

全員が、おいしいという味を追い求めても、答えはありません。
味を決めるときに重要なことは、10人のうち、半分以上がおいしいという味を求めることです。
10人全員を目指してはいけませんし、2-3人のまずいという意見に耳を傾けてはいけません。
それによって、味を変えたら、半分以上の人が、「まずくなった」というかもしれないのです。
「まずい」と言った、2-3人のお客は無視しましょう。

実は、場所も、味と同じで、100点の場所はないのです。
しかも、よい場所であっても、競合店が目の前にできるかもしれません。
駅の周りが再開発されて、人の流れが大きく変わることもあります。
デパートが潰れたり、新しくショッピングモールができたり、今まではよかった場所でも、すぐに変化してしまうのです。
だから、競合と比べても意味がないですし、完璧な場所を追い求める努力は無駄なのです。

でも、価格は、場所や味とは違います。
安い価格は、いつでも、誰にとっても、安く感じます。
安いとそこそこの味になると心配する必要は、まったくありません。
マクドナルドのハンバーガーを食べて、今まで生きてきて、一番おいしいハンバーグだと思う人はいません。
それでも、価格から想像した味よりも、全然、おいしいので、また食べてもいいかなと思うのです。

そもそも、安い価格にすれば、料理へのこだわりもなくなるので、ドンドン新商品を出すこともできますし、売れない商品はすぐに作るのを止める意思決定ができます。
さらに、価格を安くしたことで、手間もかけられないので、バイトでも、簡単に作れる料理にするでしょう。

利益もそれほど多くないので、高い賃料を支払って、一等地でお店を開くこともしません。

最初に、価格を安くすると決めると、無理をしないお店になるのです。あとは、お金があまりかからない社員教育に力を入れることで、サービスはよくなります。

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あなたは、今からでも遅くないので、料理の価格をもう一度、設定しなおしてください。そのとき、今の価格を無視して、あなたが、今と同じメニューを最低、いくらで出せるのかを考えてください。もし、それで近くにある競合のお店よりも価格が高くなった場合には、メニュー自体を変えるしかありません。
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